こんにちは!ここ1週間はオーディオブックに夢中なN子です。8月25日からオーディオブックを始めて、もう6冊も聴いたし、7冊目に突入中です。いつもの私なら1ヶ月で1冊読めたらいい方なのに、これはすごい事です。
写真は今日の夕暮れ時の空、暑い残暑でも空はなんだか秋めいてきて、秋の味覚の葡萄や梨、いろんなものが美味しい気節ですね。
ここ1週間で聴いていたのは奥田英朗さんの精神科医、伊良部一郎シリーズ。本のタイトルは「イン・ザ・プール」「空中ブランコ」「町長選挙」の3冊。いちを、病院勤務のN子は最初伊良部一郎というふざけた精神科医の言動にハラハラしていたけど、どんどん引き込まれて、一気に3部作聴かずにはいられなかった。それくらい面白い作品でした。
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どんな本?
奥田英朗さんの「伊良部一郎シリーズ」は、風変わりでユーモラスな精神科医・伊良部一郎が主人公の短編集です。シリーズは3作あり、それぞれ異なる患者との奇妙な交流が描かれています。以下の3作品が代表的です:
- 『イン・ザ・プール』(2002年)
このシリーズの最初の作品。精神科医の伊良部は、太っていて気まぐれで、医者らしくない振る舞いが特徴です。彼の患者はさまざまな悩みを抱えており、プール恐怖症や心の病気に悩む人々が登場します。伊良部の型破りな治療方法とユーモアが交錯し、読者を笑わせながらも患者の成長を描いています。 - 『空中ブランコ』(2004年)
この作品では、サーカスの空中ブランコ乗りが恐怖症に悩んでいるエピソードなど、より多様な患者たちが登場します。本作は直木賞を受賞し、シリーズの中でも特に評価が高い作品です。登場人物たちの奇抜さや、伊良部のますます型破りな治療法が魅力です。 - 『町長選挙』(2006年)
シリーズの最終作で、町長選挙に関わる話や、政治家が登場します。患者たちはやはり風変わりな悩みを抱えていますが、伊良部はどこかしら解決に導いていきます。
全体として、患者の問題がどのように解決されるのかは常に意外な形で展開され、ユーモアと人間味あふれるストーリーが特徴です。伊良部一郎は一見いい加減に見えますが、読者に精神的な癒しを与えるユニークなキャラクターとして描かれています。
この本を聴いていた時のN子は…
この作品を聴き始めた時、ちょうどN子の友達が仕事に悩みエスケープ中。精神的に苦しむ患者に人間らしく向き合う伊良部一郎の姿を参考に、友達に寄り添う事ができた気がして、運命的な本との出会いを感じていました。そして無事友達はなんとかメンタルを立て直して職場復帰。私は伊良部から人の根底に向き合うことを教えられたのかもしれない。問題解決の方法はすごくシンプルで、問題の元を断ち切ること、もしくは問題そのものから目を背けずに向き合うことと、伊良部は教えてくれた気がします。
本の感想
伊良部一郎は人として未完成であり、医者としても型破り。実際N子の勤務する病院には伊良部みたいな医者はいないし、今まで見たこともない。でも医師として根底にあるのは、「患者のことが好き」「病める人を救いたい」という気持ち。伊良部はそれ以外にも自分の欲求を満たしたい欲や、よこしまな感情を持つめちゃくちゃ俗っぽい人間なのだけれど、精神的に病んでいる患者に、自分らしくいることの大切さを教えてくれることによって患者は健康を取り戻していくように見える。
やっぱり人は自分らしくいるのが1番。自分らしさを愛することができれば心を病むことはないと教えてくれている気がする。
この小説を一気聴きしたのはなんだか読んでいて「スカッ」とする感情が病みつきになったからのような気がする。セカセカと忙しく仕事をして、「自分らしさをなくしていない?」特に病院に勤める私にとっては、「なぜ病院で働くようになったかの初心を忘れていない?」と問いかけてもらったようで。長年本屋さんで表紙を見かけていなかった自分がなぜもっと早く読まなかったのだろうと思わされるシリーズとなった。
続編に「コメンテーター」が2023年に出版されている。オーディオブックで聴くことができないので、近いうちに本を手にとってみようと思っているので、その感想もいずれブログにかきますね。
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